各巻巻末で水木先生と関わった人たちが寄稿されているが、どの人も皆書き方は違うが先生の人柄を天然で面白いと評している。
確かにこの自伝を読んで彼のそういう人柄が大いに伝わってきた。
二十歳そこそこで戦争を経験(しかも万年初年兵)し、左腕を切断、復員できても大貧乏、それからやっと成功を収める。
そりゃあこれだけの出来事があれば、マンガにしても6巻になるよなぁ。それだけ内容の濃い人生だった。
そして、何よりもすごいのは2015年93歳まで生きていらしたことである。年寄りになってからもよく食べて外国に旅行されていて非常に精力的な事が伺えた。
また、幼少期から目に見えない何か(精霊や妖怪、アニミズム的信仰)という事に強く興味を持っていて、戦時中に現地で原住民との触れ合いがその体験を更に深めたのだろう。
経済的に余裕が出来てから、現地を何十回も再訪しているというのは驚いた。
ちゃんとした現地語はできないが、それだけのコミュニケーションが通じていたということだろうな。
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