マンガ『犬木加奈子ホラー自選集 (1)』犬木 加奈子 著 双葉社
ホラー名作と各作品が呼ばれている犬木加奈子氏のマンガは初めて読んだが、流石に面白かった。
自分的に御茶漬海苔氏のホラーマンガはグロさがキツかったが、犬木氏の方はだいぶマイルドで精神的に攻めてくる感じが好感。
最初の方のタタリちゃんシリーズは、人間の心理に潜む妬みや恨み、嫉妬などの感情を妖怪スキ魔として絶妙に表現しているのが素晴らしい。タタリ家って何かすごい力を持ってるのに、主人公のタタリちゃんは悲壮感漂う学校生活をしているというギャップもメリハリが付いている。
読者からの投稿をタタリちゃんと文通しているという形式で対話するという試みも面白い。この辺の読者層で同じ境遇の人はこれを読んでだいぶ心が勇気づけられだろうな。
また、この時代では出始めた頃だと思うが携帯を使った話(返事が来るのが遅いと互いに疑心暗鬼になる)は、今もあるなーという感があってだいぶ共感できた。
最後の方の怪子ちゃんシリーズは、著者自身のイジメ体験や学校生活を基にしていてこんな頃からホラーが好きだったのかと驚きを持ちながら読んだ。
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